デューク大学バスケットボールチーム

バスケにほん ブログ村

人気ブログランキング

無料ブログはココログ

カテゴリー「A-1:「指導技術」コーチング」の記事

2016年2月27日 (土)

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅴ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅴ

身体の疲れが、ある段階に達すると

人間の身体は、防衛本能が働きだします。

私も、学生時代に練習中に突然気分が悪くなり、脂汗を流し

ひどい吐き気に襲われ、心拍数も低下し、血圧も急降下し

体に力が入らなくなり、身動きすらできなくなったことがありましたが

これは、強度のストレスが原因で起こるものらしく

大学病院の医者からは「迷走神経反射」だと言われました。

これは、人間が生命を維持するための防衛本能が過剰に反応して

身体に異常をきたした状態なのです。

これと同じように、疲労と過緊張により一過性の心停止をきたして

走りながら失神するようなことも経験しましたが

これらは、自分で自分を追い込んで、強くなろうという意志が招いたもので

決して、疲労の蓄積が原因ではなかったのです。

「自らを追い込む」という過度のストレスが原因でしたから

心は折れていませんでした。

~~~

しかし、肉体疲労の蓄積は

脳に「これ以上動くな」「弱っているから、無理をするな」

「あいつ(コーチ)の言うことは聞くな」

こんな状態になっているのかもしれません。

そうなると必然的に気力と集中力が低下してきます。

すると、自分の力で問題を解決できなくなり

状況での対応ができなくなります。

 本来なら、こんなときはコーチやチームメイトに協力や支援を求めるのですが

ここまで疲れてくると、イライラや猜疑心が非常に強くなり

周囲に相談することもできなくなってしまいます。

そんな状態の時に、何かのきっかけで、突然、「心が折れる」のです。

 しかし、指導者に「恐怖心」を抱いているようなチームの選手たちは

自分を殺して、指導者に従うという、おかしな選択を強いられるのです。

これは、生きながらにして「自殺」なのです。

~~~

こうしたことは、どのカテゴリーでも言えることなのです。

練習をしていない人間(コーチ)が、練習をやらせるのですから

選手の身体状況を、慎重に観察しながら

責任ある指導をしなければなりません。

無理はさせても、疲れを蓄積させないのがハードワークです。

日々のダラダラ練習の疲労の蓄積は、最悪なのです。

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅳ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅳ

肉体疲労の蓄積は

「心を折る、心を弱くする」「大ケガをする」「病気になる」という

非常に大きなリスクがあります。

また、疲労は、選手たちに、多くの不平不満を抱かせてしまうので

コーチとの関係もうまくいかなくなってきます。

選手たち(子供たち)が

陰で「あいつ(コーチ、先生)は、あんなやつだから・・」と言い出したら

もうチームの方向性はバラバラになってしまいます。

指導者が、ワンマンなチームは、こうした傾向が強く

選手も上のカテゴリーのチームでは、ほとんど伸びてきません。

その一因には、疲れないために、適当にやる、やっているふりをするという

悪習慣が、しっかり身についてしまい

いざ、本気でプレーしようと思っても

どうやって本気でプレーすればいいのかが分からず

心身のバランスとコントロールがまったくできないのです。

簡単に言えば、自分が経験したことのないスピードで動けば

視野も狭くなり、身体のバランスも悪くなります。

運動会で突然、全力で走ったお父さんのような状態なのかもしれません。

それにもまして、ひどいのは、考えながら動く習慣がなく

本能的な反射だけで動いているような

調教されたような習慣が身についている選手も困ったものです。

~~~

話を戻しますが、選手たちが、突然「折れて」しまうのは

精神的ストレスにやられるのではなく「疲労」にやられているのです。

ゲームなどのように緊張感を伴うものは

疲労を感じないで動き続けることができますし

特に、技術や運動能力の高い選手たちは、疲れていてもさほど疲労を感じないのです。

また、多少のストレスは、自分の力で何とか解決できますが

高いレベルでの心身のストレスは、非常にエネルギーを使うものです。

なんとなく自分で問題を解決して、表面的にはうまくやっているのですが

実際には、この段階で「疲労」は、かなり蓄積されているのです。

ここで考えておかなければならないことは

「休み(休養)も練習のうち」ということです。

強さを勝ち取るために必死になってハードワークを繰り返し

選手たちを、追い込んで、追い込んで、つぶしてしまうようでは

何のための強化練習なのか分からなくなってしまいます。

プロは100%を求めて命がけで戦うことができるのですが

普通は、80%を求めて戦うことができれば

あらゆる面での「伸び」が期待できるものなのです。

2016年2月26日 (金)

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅲ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅲ

 練習では、様々なレベルのものがありますが

最終目標に向かっていく過程では

心身ともに強いストレスを与える練習が多くなり

そのハードワークに、選手たちもそれに応えようと努力するようになります。

それと同時に身体の疲れも取れにくくなってきます。

また「精神的に強い」と言われる選手たちの多くは

疲れが溜まっているような状態でも

頑張りが利くので、どうしても頑張ってしまい

オーバートレーニング状態に陥ってしまうことがあるので

本番に向かって自分のピークを合わすことができずに

不調のまま終わってしまうことも少なくないのです。

 特に小・中・高・大学生くらいまでは

自分の状態を客観的に、かつ、冷静に観察できない傾向があります。

その理由としては、コーチに対して「ものが言えない環境にある」からです。

ケガをしていて痛みがあっても休めない、休ませてくれないとか

体調が悪いが言い出せない、疲れが取れないから休みたい・・・

つまり、相談できない関係になっているので

本当に大切な話ができなくなっているのです。

たとえできたとしても「そんなことか」とあしらわれてしまうと

選手としてもそれ以上のアプローチも相談もできなくなってしまうのです。

選手とコーチの関係が、こんな希薄な状態では

最良の結果など、ほど遠いものになってしまいます。

 しかし、現実では、こんな状態のチームが多いのです。

心身共に疲れ果てている状態では、いくら練習をしても

選手たちは、力の配分をしながら、適当に流してしまうので

ベストパフォーマンスどころか、時間の消化で終わってしまうだけなのです。

~~~

選手たちをよく観察していると

実戦の前になって、口数が減り、大人しくなってくる選手がいます。

こんな選手たちに対して

「気合が入っているから」「緊張感が出てきたから」などという

誤った視点でコーチが判断していると

本番で大失速し、考えられないようなひどいプレーを繰り返し

集中力もなく、うわずった感じで、身体にはキレも力強さも感じられないのです。

 前述したように

「実戦の前になって、口数が減り、大人しくなってくる選手」の多くは

心身の疲労の蓄積により、ある種の「うつ状態」になっていることがあるのです。

~~~

私は、ゲームの10日ほど前から選手との会話を増やし

違和感を感じるような選手がいれば、チームの調整方法を再考したり

その選手に対しては、休養を与えるようにしていました。

特に、ロボットのような受け答えをするようになってくると

かなり、深刻なのかもしれません。

チームでも、極めて優秀で、いつも、みんなを引っ張っているような選手は

突然のように、心が折れてしまい、力がなくなってしまうことがあります。

身体の疲れは、著しく「精神的体力」を奪ってしまいます。

いくら頑張ろうとしても精神的体力が残っていなければ

頑張りようもありません。

 しかし、もっと問題なのは

ゲームの途中で頑張りが利かなくなることです。

ゲームの前なら、何とか対処することもできますが

ゲームが始まってしまえば、もうどうにもなりません。

 このように、ある時、突然心不調に陥るのが

心身へのストレス、肉体的な疲労の蓄積なのです。

心が折れてしまうと、そう簡単には、修正することはできません。

2016年2月13日 (土)

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅱ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅱ

「心が折れる」というのは

前に進めなくなりステップアップできなきなったり、辞めてしまったり、

目標としていたことをやり遂げられない状態に陥ることで

決して「心の病」ということではありません。

~~~

日々の練習でも、低・中・高程度の練習があるのですが

私の経験では、選手によっても個人差があるので

たとえば、中程度の練習でも

全員が苦しい時に、それを全員が我慢して頑張ってやっている状態というのは

意外に大きなストレス状態の中で練習をしているのです。

コーチが、中程度の練習で「心が折れる」選手はいないと思っていても

実際には、このレベルがMAXの選手もいるのです。

こうした選手たちは、決して、意欲や能力がないわけではなく

ただ、その練習が苦痛で、悩み傷つくこともあるのですが

周りの人に対して、そのことについて相談できないのです。

 私は、プレシーズンには「正確性を徹底的に追及する練習」をしますが

以前、短大のコーチをしていた時に

このドリルをコールして、練習を始めようとしたとき

エンドラインで突然、選手が倒れてしまったのです。

この選手は「正確性の徹底追及」という練習の繰り返しが

不安とストレスを生み出していたのです。

この選手のように倒れることはなくても

ほとんどの選手たちは「正確性の徹底追及」と「妥協のないコーチングの姿勢」に対して

不安と緊張を抱え、これが大きなストレスとなっているのですが

このストレスを、どうやって力に変えるのかが指導者の力なのです。

実際には、こうした練習の中で選手もチームも強くなっていくのです。

~~~

今まで「心が折れた状態の選手」をたくさん見てきましたが

選手たちは、自分が挫折した辛さを理解すると同時に

その厳しさの中で

実戦で必要な考え方や方法・手段を習得することが重要なのです。

チームによっても違いますが

一般的なチームでは、中程度の強度の練習で

心が弱りはじめる選手は、半分ぐらいですが

残りの半分ぐらいの選手たちは、多少の挫折では、へこたれませんし

困ってもすぐに周りと協力したりして頑張れるのですが

なぜか、能力も意欲もある選手に限って、心が折れやすいのです。

こうした選手たちは

「能力はあるのに、どうしてうまくならないんだろう」という結末なのです。

要するに「伸びない」のです。

これは、間違いなく指導者の責任です。

「能力があるのに、伸びない」のではなく「伸ばせない」のです。

また、高いレベルのストレスを受けると

「できない自分」に大きなストレスがかかり

すぐに心が折れてしまうのです。

高レベルのストレスは、その強度と時間が関係しています。

  たとえ低・中レベルのストレスでも

それが長く続けば高レベルのストレスになってしまうのです。

 また、高レベルで心が折れてしまう選手には、共通の特徴があります。

それは、低・中レベルのストレス段階では

何の問題もなく練習(ストレス)をクリアできる「優秀」な選手に限って

突然のように心が折れてしまうのです。

2016年2月12日 (金)

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅰ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅰ

 最近では、企業でのストレスチェックが義務化され

ストレスに対しての取り組みが不可欠になっています。

しかし、これは企業で働く人に限ったことではありません。

日々、練習に励む選手たち、子供たちも様々なストレスと戦いながら

自分たちの目標に向かって努力しているのです。

ところが、指導する側は、そんなことなど、さほど意識していないので

いつも要求するだけ、ハードワークをやらせるだけ、文句を言うだけ

これでは、選手たちは、たまったものではありません。

~~~

 私の学生時代のチームは、日本でも有数のチームでしたが

練習時間は、授業終了後に最大で2時間30分、3日練習したら1日休みでした。

7月の中旬から8月中旬までオフ(休み)で9月1日集合し夏合宿。

年末はインカレ、年明けはオールジャパンでしたが

それが終わると3月の中旬までオフ(休み)で3月下旬に集合し春合宿でした、

それに、他の強豪大学のように

能力の高い選手が、たくさんいるようなチームでもなく

無名の選手ばかりが集まっているようなチームでした。

練習は、短時間で効率がよく、短く・激しく・実戦的でした。

他の強豪大学へ行った連中に聞くと

うちのチームの2倍から3倍の練習をしていました。

そして、驚くことに

「心を病んで、辞めていく選手が毎年のようにいる」ということでした。

私の感覚の中には

「好きなことをやっているのに、なぜ心を病むんだろう」という疑問しかなく

信じがたいことでした。

確かに、体育会系のクラブの下級生は

普通では考えられないほどの大きなストレスに耐えていかなければ

最後まで生き残ることができませんでした。

バスケットを続けるとか、好きだから頑張るなどという気持ちだけでは

その大きなストレスには、勝てなかったのです。

つまり、練習以外の上下関係で、心が折れてしまうのです。

 また、大切なゲーム前には、自分で、自分にプレッシャーをかけ過ぎてしまい

胃が痛くなり、食事もできず、下痢を繰り返したこともありましたが

それは、心が折れるようなストレスではありませんでした。

私は、1年生の時にリーグ戦の最終ゲームを終えて

帰りの電車の中で突然倒れ、気付いたら病院のベットの上で

まる1日意識がなかったことがありました。

これは、過度の緊張で自律神経がバランスを崩してしまったからでした。

この後、監督から言われたことは

「プレッシャーを感じることができる場所にいる自分を幸せに思え」でした。

私は、長いコーチ生活の中で、何度もこの言葉を選手に言ってきました。

これは、思った以上に効果的な言葉でした。

~~~

このように自分が育ってきた過程では

練習での疲労の蓄積による精神的なストレスというのは、あまりなかったので

「心と体のバランス」を崩してしまうようなストレスはありませんでした。

なかったというより、指導者の質、能力が高かったので

人として、選手として壊れることがなかったのです。

ケガをして痛くても、熱があっても、どんなに体調が悪くても

「練習を休む」という選択は、自分の中にはありませんでした。

下級生のころは、練習やゲームの時だけ本当の自分でいられました。

練習では全員が平等の立場(監督の考え方)でしたから

頑張れば、頑張った分だけ得るものも大きかったのです。

学生時代のチームは「能力の高い者が生き残るチーム」ではなく

「頑張った奴が生き残るチーム」でした。

~~~

私も長い間、多くの選手たち、子供たちを指導してきましたが

自分が指導者としてコートに立った時

自分がやってきたことと同じ要求を子供たちにしていた時期がありました。

しかし、そんな馬鹿げた要求をしていても

伸びない、うまくならない、強くならない、勝てないのです。

特に、指導者の不安感で練習が長くなってしまうと

練習効率が、極端に落ちてしまい、時間の消化になってしまいます。

これを続けてしまうと、選手たちは、まったく伸びなくなります。

これは「疲労の蓄積とストレス」により、心が弱くなっている状態なのです。

大阪桜宮高校での事件も

この「疲労の蓄積とストレス」に加え「人格を否定するような暴言」の繰り返しが

子供の心を壊してしまい「心が折れて」しまったのかもしれません。

スポーツは、本人が悩みだすと孤独になってしまいます。

それは、周囲に相談したところで、どうにもならないことが多いからです。

こうした繰り返しは、人をどんどん追い込んでしまい

抜け道も、逃げ道も見つからなくなり、歩みは止まってしまいます。

本来は、こうした状況にある選手を助けてやり

次の1歩を歩ませるのがコーチの役割なのですが

もしそれが、指導者から受けるストレスだとしたら

コーチ自らが選手の息の根を止めてしまうことになるのです。

2015年9月15日 (火)

チームに合わないものは結果がでない 3

チームに合わないものは結果がでない 3

このシーズンの開幕戦を見る限りでは

レイカーズは、プリンストンオフェンスが

浸透しているとは言えませんでした。

明らかに練習時間が足りないままシーズンを迎えているので

選手同士がまったく噛み合っていませんし

パッサーと受け手のタイミングもバラバラでした。

私は、このシステム自体、好きではありませんし

使おうとも思いません。

その理由は、先にも触れましたが

チームを支える精神的な意図を感じないからです。

レイカーズも結局は

ゲーム終盤に、しびれを切らしたコービーが

個人能力でガンガン得点を重ねています。

チーム内でも、こんな状況が続くと

「コービーに任せるのか?」

「プリンストンオフェンスでいくのか?」

チーム内に不信感が、どんどん広がっていきますから

結果的には、ヘッドコーチが責任を取るしかないのです。

試合に勝てればいいのですが

負けが続くと、チームの崩壊につながりかねません。

「今まで強かったチームが、いきなり負け出すとき」

「勝てないチームが、必死で戦っても結果が出ないとき」

これは、チーム崩壊の兆しであり

コーチへの不信感の高まりを意味しています。

どんなに能力の高い選手がたくさんいても

オフェンス、ディフェンスの選択を誤ると

NBAレベルでも泥沼に、はまってしまい

どうにもならなくなってしまうのです。

チームに合ったものを、いかにみつけだすかが

コーチングの「鍵」なのです。

2015年9月14日 (月)

■チームに合わないものは結果がでない 2

■チームに合わないものは結果がでない 2

私も長い間「精神的な要素を、プレーやシステムに置き換える」ということを

やってきましたから、どうしても、そのシステムの裏にある

精神的な部分(メンタルプレー)を探ろうとしてしまうので

こうした考え方をしてしまうのですが

彼に直接、話を聞いたわけではないので

その真意は分かりませんが

この考え方が、間違っているとは思ってはいません。

 フィルジャクソンは、レイカーズ時代に

コービーブラウンと、まったく相性が合わず苦労しています。

コーチを続ける意欲すら失くし

体調を崩してしまうほど、彼との関係は最悪だったのです。

また、コービーは、ジョーダンのような学生時代の経験もなく

自分の好きなようにプレーしてきた選手ですから

今さら「自分を捨てて、周りを生かす」など到底できません。

名将ジャクソンですら、どうにもならなかったコービーを

エリートコースを歩んできた、ブラウンの考え方では難しかったのです。

エリートにありがちな「おごりと勘違い」が

「自分の力で、すべて何とかなる」とでも思っていたのかもしれません。

私は、そのチームの精神的に弱い部分を強化するためのシステムを

必ず優先して、提案するようにしています。

ただ単に勝つことだけを求めるような、心のないシステムでは

信念をもってシーズンを戦うことはできと考えています。

私が、コーチの皆さんによくお話しする

「チームに合ったシステムをつくる」ことが

いかに大切かが、こうしたことからでも

ご理解頂けるのではないかと思います。

どんなに素晴らしいシステムでも、安易な選択は非常に危険なものとなり

チームにマッチしていなければ、最悪のシーズンになってしまうのです。

レイカーズが採用したプリンストンオフェンスについて

簡単に説明しておきます。

このオフェンスは「モーションオフェンスの進化系」等と言われています。

モーションオフェンスというのは、簡単な約束事をベースに

止まることなく連続して動き

ウィーサイドのディフェンスにヘルプさせないで

シュートチャンスを作るためのシステムです。

プリンストンオフェンスには

動きに決まり事があるわけではありません。

このシステムは、バスケットIQが高くないと

なかなかアジャストできません。

このオフェンスは

「どうすれば運動能力の高い強豪チームに勝てるか?」ということをベースに

相手ディフェンスの動きに対し、臨機応変に動くオフェンスです。

また、このシステムは、相当時間をかけて練習しないと理解するのが難しく

瞬時の判断能力を訓練しないと、簡単に身につくものではありません。

約束事がないので、パッサーとボールの受け手の判断で成立つシステムなので

練習でミスを繰返し、何度も選手同士でタイミングを調整しないと形にはなりません。

日本でもこのプリンストンオフェンスについての書籍がありましたが

残念ながら、ピンボケしたポイントの見えない内容でした。

 

2015年9月12日 (土)

■チームに合わないものは結果がでない 1

■チームに合わないものは結果がでない 1

2012年のシーズン、レイカーズは

プレシーズン8戦全敗で開幕を迎えました。

この時のチームを見ていると

何がオフェンスの中心なのか

どうやって守りたいのかが、まったく分からない状態になっていて

個人の良さまで消してしまっていました。

言うなれば「勝ち方を知らないチームになっている」という状態です。

このシーズン、ヘッドコーチのマイク・ブラウンは

チームに「プリンストンオフェンス」を導入していたようなのですが

誰が考えても、これだけのタレントが揃っているチームで

使うようなシステムではありません。

「プリンストンオフェンス」のシステムというのは

おふぇんシステムとしたら、低レベルのシステムなのです。

このシステムは「練習に膨大な時間がかかるが、結果が出にくい」という

最大の欠点をもっています。

NBAレベルで相手との駆け引きや読みで勝負するような

チームオフェンスは、到底、通用するとは思えません。

しかし、マイク・ブラウンHCとしては

フィルジャクソンが採用し、成功を収めた

「トライアングル・オフェンス」をイメージしたのでしょうが

実際は、最悪の状態でした。

「トライアングル・オフェンス」を成功に導いたフィルジャクソンは

ジョーダンに頼るオフェンスをやめ

他の選手たちを生かし

全ての選手を成長させようと試み、大きな成功を収めましたが

その裏には、フィルジャクソンが、ジョーダンを説得し

その考え方を、受入れさせたことが、成功の大きな要因なのです。

これは、私の勝手な推測なのですが

マイク・ブラウンもコービーの得点を減らし、ボールをより分散させ

選手全員を生かそうと考えたのかもしれません。

しかし、彼は、このことを、コービーブラウンに

しっかり受入れさせる必要があったはずですが

残念ながら、ゲームを観る限りでは

何もしていなかったように感じました。

フィルジャクソンが、ジョーダンを説き伏せたように

マイク・ブラウンHCもコービーを説得し

納得させる必要があったのですが

それが、できなかったのではないかと思います。

フィルジャクソンは

「トライアングル・オフェンス」に対して

懐疑的だったジョーダンの了解を得ることに成功しましたが

その裏には、ノースカロライナ大学の

ディーンスミスHCの存在があったようです。

ジョーダンは、ノースカロライナ大学でディーンスミスHCに

「無私」ということを徹底的に指導された経験を持っています。

得点能力高いジョーダンに対して

ディーンスミスは

「自分を犠牲にして、チームメイトを生かし

その力を引き出し、チームに貢献すること」

こうしたことを、徹底して指導した時期があったと

チームに近い知人から聞いたことがあり

この時期のジョーダンのAvg.は9.8点しかなかったということです。

多分、ジャクソンHCが、ジョーダンを説得できた理由は

大学時代のこうした経験にあったのかもしれません。

初年度のブルズは

前シーズンの47勝から55勝に勝ち星を増やし、地区の5位から2位に浮上し

ジョーダン以外の選手たちの能力も向上し

プレーオフは、東地区決勝まで進出しましたが

ピストンズに敗退しましたが

その後は、最高の成果を収めています。

フィルジャクソンの指導の考え方は

「チームの和を重視」することです。

この精神的な部分の考え方を、システムに置き換えて、具現化させたのが

テックス・ウィンターが考案した

「トライアングル・オフェンス」の導入だったのです。

続く

2015年9月 7日 (月)

チーム崩壊の兆し

チーム崩壊の兆し

「休みもなく、長時間練習をしていても

 勝てるようにならないし、選手たちも伸びない。

 選手たちに、どんなに話しをしても

何を言っても、変わる努力をしようとしない。

こんな選手たちを、どう指導したらいいのでしょう」

私は、こんな話しを聞いて

このコーチは、誰に何を求めているのか

どこへ向かって、行こうと指導しているのかが分かりませんでした。

 

勝てない! 伸びない! 育たない!

何をやっても結果が出ない!

勝つために何をすれば良いのか分からない!

今のチームに合った最良のものが見つからない!

こうしたことを繰返し、敗戦を積み重ねているとしたら

それは、チーム崩壊の兆しです。

よほどの選手でなければ、コーチの指導に対して

クレームを付けてくることはありません。

コーチとして、結果がでないのは

選手たちの責任だと考えているようでは

あまりにも無責任なことです。

うまくいかないことを、選手の責任にして

選手たちに要求ばかりし

選手たちを、崖っぷちまで追い込んでいく。

選手たちは、肉体的、精神的に疲労が溜まり

ボロボロの状態になってしまうと

何をしても、モチベーションは上がらない。

そして、崖ぷっちまで追い込まれた選手たちは

自分を守るために、コーチの力も言葉もかわし始める。

結果も満足に出ない練習を毎日繰り返し

自分の考え方を、正当化するコーチの言動に

選手たちは、日々、うんざりしている。

試合に負ければ、選手を責めることしかできないコーチの態度に

選手たちは、尊敬も信頼もできなくなっている。

初めは「試合に負けるのは、自分たちの力のなさだ」と感じ

一生懸命に頑張ってきた選手たちも

時間と共に

無責任なコーチの態度や言動と同じように

自分たちの頑張りを正当化しはじめ

精一杯の努力をしなくなり

陰でコーチ批判(悪口)を繰返しはじめる。

コーチと選手が、こんな悪い心情になり

お互いが、同じことを、やりはじめると

もう「負の連鎖」は止まらない。

こんな状態に陥ってしまうと

何時間練習しても、練習ゲームを繰返しても

結局は、チームも選手も変わらない。

この負の連鎖が、チームの崩壊を生んでしまう。

多くの場合、勝てない原因は

コーチの指導内容や方法に問題がある。

悪い結果を、選手の責任にして

自分のコーチングだけを正当化しないことだ。

これが、たくさんの負けを積み重ねても

チームが壊れない要因になる。

たくさんの負けを積み重ね

何をしても勝てないのなら

コーチ自身が「選手たちへの言動、態度を変えることだ」

チームが勝てないのなら、選手を責めないことだ。

負けても、負けても無邪気にトライできるような

よりよい精神環境を作りだすことが大切になる。

この繰り返しが、勝利を呼び込む第一歩になる。

自分のコーチンだけを見ていると

必ず、勝機を逃してしまう。

心が疲れ、心が折れてしまうと

選手たちは、勇気ある一歩を踏み出そうとはしない。

コーチが、言っても、言っても、何も変わらない。

結果も出せないコーチが、何を言っても

チームも、選手も、何ひとつとして、変わることはありません。

また、自分では、違うことを言っているつもりでも

選手たちには、いつも、同じ話の繰返しにしか聞こえていないのです。

こうなってしまったら、コーチの言葉は

選手たちの耳には入らない

心に訴えることもできない。

選手が変わるか

コーチが変わるか

そんなことは、どうでもいいことなのです。

「やるのは選手たちで、コーチではない」わけですから

選手たちに頑張ってもらうことを、最優先するしかないのです。

選手が変わらないのであれば

コーチ自身が、変わらなければ

何も、前には進みません。

2015年4月 9日 (木)

■声なき声を拾う

声なき声を拾う

指導者は、チーム内の「声なき声を拾う」ことが、できるかどうかが

育成力の成否にかかわる分かれ目です。

何らかの結果が出て、判断していては、もう遅いのです。

日本では、多くの場合、指導者は圧倒的な権力者です。

そのため、選手たちの声なき声に、気を配れないことがあります。

自分が指導している以上は、選手たちの心の声まで聞こうとする努力が必要です。

選手たちは「休みが欲しい」とよく言いますが

休みを与えるだけで、選手たちが本当に満足しているかというと

そうでもありません。

実は、その裏側には「こんな、つまらない練習しかできないんだったら

休みをくれ」という意味が隠れているのかもしれません。

そこを読み違えると、休みが明けても、心のリフレッシュはできずに

選手たちは「また、つまらない練習か」と、足取りも重くなってしまい

休みに意味もなくなってしまうのです。

 そうならないためには「声なき声をいかに引き出すのか」が大切なのです。

私の場合は、選手たちの話を聞く、質問するという方法でやってきました。

選手が、何を考えているのかは

何回か問い掛けることで、なんとなく掴めるようになります。

 たとえば「体調はどう?」と選手に聞くと

たいていの選手は「大丈夫です」「元気です」としか言わないのですが

もっと具体的に「ふくらはぎ、張ってないか」と聞くと

「ちょっと張ってる感じがあります」という答えが返ってきます。

具体性をもたせて、うまく質問していくと

本当の声が少しずつ出てくるので

それを、自分の指導の中に取り入れていけばいいのです。

練習内容でも、選手たちに質問して、得た声を

練習でうまく反映することができれば

「今日は、何をするのかな」と思えるような

練習の流れ、組立てを考えることもできるようになります。

また、問い掛け、質問を繰返しているうちに

質の高い質問ができるようになります。

「質問して、本音を聞く」ことがうまくできるようになると

指導者自身も、早くアウトプットすることできるようになります。

 会社などで、上司に「明日までに、この資料を作ってくれ」と言われたとき

何も考えずに「はい、分かりました」と言って、動き出す人は

出来上がった資料も、なんとなくピンボケした感じがしますが

「何のために、どのように使う資料ですか」と上司に聞ける人は

資料の必要性、目的がはっきり理解できているので

必要な内容が的確に整理され、ムダのないものが出来上がってきます。

 このように「どのポイントを押さえればいいのか」が分かっている人と

そうでない人では、同じことをやってもぜんぜん違うのです。

質問をして、その目的やポイントが理解できれば

教えた技術が、生きたテクニックになるのです。

 指導というのは「命令」「概念の押し付け」「強要」ではないのです。

私は、選手に質問する時は「具体的な内容で聞く」ことも多いのですが

意外と多いのが「どう?」「どうした?」などのように

ハッキリしない、曖昧な問い掛けから入っていき

選手の考えていることを引き出すこともあります。

 質問するためには、質問を考えておくことも大切なことです。

私の場合は、いつでもノートを持ってコーチングしていますから

練習中に湧き出てきた、インスピレーションをメモしたり

選手の動きや態度を見て

「こんなことを、聞いてみよう」という内容をメモしていました。

先にも触れましたが、質問できないのは、質問を用意していないからです。

こうしたことは、習慣ですから

初めは、選手たちに「質問する」ということを強制してもいいのです。

これが習慣になってくれば「なんで?」「どうして?」という質問が

しだいにレベルアップしてきますから、ポイントがハッキリしてきます。

中には「何を聞いたらいいのかすら分からない」選手もいますが

いつでも、どんな時でも、考えさせるのです。

こうしたことがチーム内に定着してくれば

選手同士の問い掛けが始まります。

指導者と選手の関係と違って、選手同士は、直接的な話しが多いのです。

 言い換えれば、相手に関心を持っているから聞くのです。

何でもかんでも、全部聞かなくてもいいのです。

指導者も選手も

「質問を考え、相手に聞く」だけで、自分の問題にもなるのです。

相手に聞くことによって、自分の頭の中も整理されていくのです。

「あっ!そうか」「そうだったのか」という

たくさんの気付きが、理解と納得を生みだし力がついてくるのです。

 今まで、何万人という選手と関わってきましたが

良い選手は「聞く能力が高い」のです。

チーム内にひとりでも、そんな選手がいると

チーム力は、劇的に変化していくものです。

この質問、問い掛けの能力が「考える」ことの基本になるのです。