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2016年2月21日 - 2016年2月27日

2016年2月27日 (土)

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅴ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅴ

身体の疲れが、ある段階に達すると

人間の身体は、防衛本能が働きだします。

私も、学生時代に練習中に突然気分が悪くなり、脂汗を流し

ひどい吐き気に襲われ、心拍数も低下し、血圧も急降下し

体に力が入らなくなり、身動きすらできなくなったことがありましたが

これは、強度のストレスが原因で起こるものらしく

大学病院の医者からは「迷走神経反射」だと言われました。

これは、人間が生命を維持するための防衛本能が過剰に反応して

身体に異常をきたした状態なのです。

これと同じように、疲労と過緊張により一過性の心停止をきたして

走りながら失神するようなことも経験しましたが

これらは、自分で自分を追い込んで、強くなろうという意志が招いたもので

決して、疲労の蓄積が原因ではなかったのです。

「自らを追い込む」という過度のストレスが原因でしたから

心は折れていませんでした。

~~~

しかし、肉体疲労の蓄積は

脳に「これ以上動くな」「弱っているから、無理をするな」

「あいつ(コーチ)の言うことは聞くな」

こんな状態になっているのかもしれません。

そうなると必然的に気力と集中力が低下してきます。

すると、自分の力で問題を解決できなくなり

状況での対応ができなくなります。

 本来なら、こんなときはコーチやチームメイトに協力や支援を求めるのですが

ここまで疲れてくると、イライラや猜疑心が非常に強くなり

周囲に相談することもできなくなってしまいます。

そんな状態の時に、何かのきっかけで、突然、「心が折れる」のです。

 しかし、指導者に「恐怖心」を抱いているようなチームの選手たちは

自分を殺して、指導者に従うという、おかしな選択を強いられるのです。

これは、生きながらにして「自殺」なのです。

~~~

こうしたことは、どのカテゴリーでも言えることなのです。

練習をしていない人間(コーチ)が、練習をやらせるのですから

選手の身体状況を、慎重に観察しながら

責任ある指導をしなければなりません。

無理はさせても、疲れを蓄積させないのがハードワークです。

日々のダラダラ練習の疲労の蓄積は、最悪なのです。

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅳ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅳ

肉体疲労の蓄積は

「心を折る、心を弱くする」「大ケガをする」「病気になる」という

非常に大きなリスクがあります。

また、疲労は、選手たちに、多くの不平不満を抱かせてしまうので

コーチとの関係もうまくいかなくなってきます。

選手たち(子供たち)が

陰で「あいつ(コーチ、先生)は、あんなやつだから・・」と言い出したら

もうチームの方向性はバラバラになってしまいます。

指導者が、ワンマンなチームは、こうした傾向が強く

選手も上のカテゴリーのチームでは、ほとんど伸びてきません。

その一因には、疲れないために、適当にやる、やっているふりをするという

悪習慣が、しっかり身についてしまい

いざ、本気でプレーしようと思っても

どうやって本気でプレーすればいいのかが分からず

心身のバランスとコントロールがまったくできないのです。

簡単に言えば、自分が経験したことのないスピードで動けば

視野も狭くなり、身体のバランスも悪くなります。

運動会で突然、全力で走ったお父さんのような状態なのかもしれません。

それにもまして、ひどいのは、考えながら動く習慣がなく

本能的な反射だけで動いているような

調教されたような習慣が身についている選手も困ったものです。

~~~

話を戻しますが、選手たちが、突然「折れて」しまうのは

精神的ストレスにやられるのではなく「疲労」にやられているのです。

ゲームなどのように緊張感を伴うものは

疲労を感じないで動き続けることができますし

特に、技術や運動能力の高い選手たちは、疲れていてもさほど疲労を感じないのです。

また、多少のストレスは、自分の力で何とか解決できますが

高いレベルでの心身のストレスは、非常にエネルギーを使うものです。

なんとなく自分で問題を解決して、表面的にはうまくやっているのですが

実際には、この段階で「疲労」は、かなり蓄積されているのです。

ここで考えておかなければならないことは

「休み(休養)も練習のうち」ということです。

強さを勝ち取るために必死になってハードワークを繰り返し

選手たちを、追い込んで、追い込んで、つぶしてしまうようでは

何のための強化練習なのか分からなくなってしまいます。

プロは100%を求めて命がけで戦うことができるのですが

普通は、80%を求めて戦うことができれば

あらゆる面での「伸び」が期待できるものなのです。

2016年2月26日 (金)

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅲ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅲ

 練習では、様々なレベルのものがありますが

最終目標に向かっていく過程では

心身ともに強いストレスを与える練習が多くなり

そのハードワークに、選手たちもそれに応えようと努力するようになります。

それと同時に身体の疲れも取れにくくなってきます。

また「精神的に強い」と言われる選手たちの多くは

疲れが溜まっているような状態でも

頑張りが利くので、どうしても頑張ってしまい

オーバートレーニング状態に陥ってしまうことがあるので

本番に向かって自分のピークを合わすことができずに

不調のまま終わってしまうことも少なくないのです。

 特に小・中・高・大学生くらいまでは

自分の状態を客観的に、かつ、冷静に観察できない傾向があります。

その理由としては、コーチに対して「ものが言えない環境にある」からです。

ケガをしていて痛みがあっても休めない、休ませてくれないとか

体調が悪いが言い出せない、疲れが取れないから休みたい・・・

つまり、相談できない関係になっているので

本当に大切な話ができなくなっているのです。

たとえできたとしても「そんなことか」とあしらわれてしまうと

選手としてもそれ以上のアプローチも相談もできなくなってしまうのです。

選手とコーチの関係が、こんな希薄な状態では

最良の結果など、ほど遠いものになってしまいます。

 しかし、現実では、こんな状態のチームが多いのです。

心身共に疲れ果てている状態では、いくら練習をしても

選手たちは、力の配分をしながら、適当に流してしまうので

ベストパフォーマンスどころか、時間の消化で終わってしまうだけなのです。

~~~

選手たちをよく観察していると

実戦の前になって、口数が減り、大人しくなってくる選手がいます。

こんな選手たちに対して

「気合が入っているから」「緊張感が出てきたから」などという

誤った視点でコーチが判断していると

本番で大失速し、考えられないようなひどいプレーを繰り返し

集中力もなく、うわずった感じで、身体にはキレも力強さも感じられないのです。

 前述したように

「実戦の前になって、口数が減り、大人しくなってくる選手」の多くは

心身の疲労の蓄積により、ある種の「うつ状態」になっていることがあるのです。

~~~

私は、ゲームの10日ほど前から選手との会話を増やし

違和感を感じるような選手がいれば、チームの調整方法を再考したり

その選手に対しては、休養を与えるようにしていました。

特に、ロボットのような受け答えをするようになってくると

かなり、深刻なのかもしれません。

チームでも、極めて優秀で、いつも、みんなを引っ張っているような選手は

突然のように、心が折れてしまい、力がなくなってしまうことがあります。

身体の疲れは、著しく「精神的体力」を奪ってしまいます。

いくら頑張ろうとしても精神的体力が残っていなければ

頑張りようもありません。

 しかし、もっと問題なのは

ゲームの途中で頑張りが利かなくなることです。

ゲームの前なら、何とか対処することもできますが

ゲームが始まってしまえば、もうどうにもなりません。

 このように、ある時、突然心不調に陥るのが

心身へのストレス、肉体的な疲労の蓄積なのです。

心が折れてしまうと、そう簡単には、修正することはできません。

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