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2016年2月7日 - 2016年2月13日

2016年2月13日 (土)

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅱ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅱ

「心が折れる」というのは

前に進めなくなりステップアップできなきなったり、辞めてしまったり、

目標としていたことをやり遂げられない状態に陥ることで

決して「心の病」ということではありません。

~~~

日々の練習でも、低・中・高程度の練習があるのですが

私の経験では、選手によっても個人差があるので

たとえば、中程度の練習でも

全員が苦しい時に、それを全員が我慢して頑張ってやっている状態というのは

意外に大きなストレス状態の中で練習をしているのです。

コーチが、中程度の練習で「心が折れる」選手はいないと思っていても

実際には、このレベルがMAXの選手もいるのです。

こうした選手たちは、決して、意欲や能力がないわけではなく

ただ、その練習が苦痛で、悩み傷つくこともあるのですが

周りの人に対して、そのことについて相談できないのです。

 私は、プレシーズンには「正確性を徹底的に追及する練習」をしますが

以前、短大のコーチをしていた時に

このドリルをコールして、練習を始めようとしたとき

エンドラインで突然、選手が倒れてしまったのです。

この選手は「正確性の徹底追及」という練習の繰り返しが

不安とストレスを生み出していたのです。

この選手のように倒れることはなくても

ほとんどの選手たちは「正確性の徹底追及」と「妥協のないコーチングの姿勢」に対して

不安と緊張を抱え、これが大きなストレスとなっているのですが

このストレスを、どうやって力に変えるのかが指導者の力なのです。

実際には、こうした練習の中で選手もチームも強くなっていくのです。

~~~

今まで「心が折れた状態の選手」をたくさん見てきましたが

選手たちは、自分が挫折した辛さを理解すると同時に

その厳しさの中で

実戦で必要な考え方や方法・手段を習得することが重要なのです。

チームによっても違いますが

一般的なチームでは、中程度の強度の練習で

心が弱りはじめる選手は、半分ぐらいですが

残りの半分ぐらいの選手たちは、多少の挫折では、へこたれませんし

困ってもすぐに周りと協力したりして頑張れるのですが

なぜか、能力も意欲もある選手に限って、心が折れやすいのです。

こうした選手たちは

「能力はあるのに、どうしてうまくならないんだろう」という結末なのです。

要するに「伸びない」のです。

これは、間違いなく指導者の責任です。

「能力があるのに、伸びない」のではなく「伸ばせない」のです。

また、高いレベルのストレスを受けると

「できない自分」に大きなストレスがかかり

すぐに心が折れてしまうのです。

高レベルのストレスは、その強度と時間が関係しています。

  たとえ低・中レベルのストレスでも

それが長く続けば高レベルのストレスになってしまうのです。

 また、高レベルで心が折れてしまう選手には、共通の特徴があります。

それは、低・中レベルのストレス段階では

何の問題もなく練習(ストレス)をクリアできる「優秀」な選手に限って

突然のように心が折れてしまうのです。

2016年2月12日 (金)

■選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅰ

選手は、疲労の蓄積で心が折れる Ⅰ

 最近では、企業でのストレスチェックが義務化され

ストレスに対しての取り組みが不可欠になっています。

しかし、これは企業で働く人に限ったことではありません。

日々、練習に励む選手たち、子供たちも様々なストレスと戦いながら

自分たちの目標に向かって努力しているのです。

ところが、指導する側は、そんなことなど、さほど意識していないので

いつも要求するだけ、ハードワークをやらせるだけ、文句を言うだけ

これでは、選手たちは、たまったものではありません。

~~~

 私の学生時代のチームは、日本でも有数のチームでしたが

練習時間は、授業終了後に最大で2時間30分、3日練習したら1日休みでした。

7月の中旬から8月中旬までオフ(休み)で9月1日集合し夏合宿。

年末はインカレ、年明けはオールジャパンでしたが

それが終わると3月の中旬までオフ(休み)で3月下旬に集合し春合宿でした、

それに、他の強豪大学のように

能力の高い選手が、たくさんいるようなチームでもなく

無名の選手ばかりが集まっているようなチームでした。

練習は、短時間で効率がよく、短く・激しく・実戦的でした。

他の強豪大学へ行った連中に聞くと

うちのチームの2倍から3倍の練習をしていました。

そして、驚くことに

「心を病んで、辞めていく選手が毎年のようにいる」ということでした。

私の感覚の中には

「好きなことをやっているのに、なぜ心を病むんだろう」という疑問しかなく

信じがたいことでした。

確かに、体育会系のクラブの下級生は

普通では考えられないほどの大きなストレスに耐えていかなければ

最後まで生き残ることができませんでした。

バスケットを続けるとか、好きだから頑張るなどという気持ちだけでは

その大きなストレスには、勝てなかったのです。

つまり、練習以外の上下関係で、心が折れてしまうのです。

 また、大切なゲーム前には、自分で、自分にプレッシャーをかけ過ぎてしまい

胃が痛くなり、食事もできず、下痢を繰り返したこともありましたが

それは、心が折れるようなストレスではありませんでした。

私は、1年生の時にリーグ戦の最終ゲームを終えて

帰りの電車の中で突然倒れ、気付いたら病院のベットの上で

まる1日意識がなかったことがありました。

これは、過度の緊張で自律神経がバランスを崩してしまったからでした。

この後、監督から言われたことは

「プレッシャーを感じることができる場所にいる自分を幸せに思え」でした。

私は、長いコーチ生活の中で、何度もこの言葉を選手に言ってきました。

これは、思った以上に効果的な言葉でした。

~~~

このように自分が育ってきた過程では

練習での疲労の蓄積による精神的なストレスというのは、あまりなかったので

「心と体のバランス」を崩してしまうようなストレスはありませんでした。

なかったというより、指導者の質、能力が高かったので

人として、選手として壊れることがなかったのです。

ケガをして痛くても、熱があっても、どんなに体調が悪くても

「練習を休む」という選択は、自分の中にはありませんでした。

下級生のころは、練習やゲームの時だけ本当の自分でいられました。

練習では全員が平等の立場(監督の考え方)でしたから

頑張れば、頑張った分だけ得るものも大きかったのです。

学生時代のチームは「能力の高い者が生き残るチーム」ではなく

「頑張った奴が生き残るチーム」でした。

~~~

私も長い間、多くの選手たち、子供たちを指導してきましたが

自分が指導者としてコートに立った時

自分がやってきたことと同じ要求を子供たちにしていた時期がありました。

しかし、そんな馬鹿げた要求をしていても

伸びない、うまくならない、強くならない、勝てないのです。

特に、指導者の不安感で練習が長くなってしまうと

練習効率が、極端に落ちてしまい、時間の消化になってしまいます。

これを続けてしまうと、選手たちは、まったく伸びなくなります。

これは「疲労の蓄積とストレス」により、心が弱くなっている状態なのです。

大阪桜宮高校での事件も

この「疲労の蓄積とストレス」に加え「人格を否定するような暴言」の繰り返しが

子供の心を壊してしまい「心が折れて」しまったのかもしれません。

スポーツは、本人が悩みだすと孤独になってしまいます。

それは、周囲に相談したところで、どうにもならないことが多いからです。

こうした繰り返しは、人をどんどん追い込んでしまい

抜け道も、逃げ道も見つからなくなり、歩みは止まってしまいます。

本来は、こうした状況にある選手を助けてやり

次の1歩を歩ませるのがコーチの役割なのですが

もしそれが、指導者から受けるストレスだとしたら

コーチ自らが選手の息の根を止めてしまうことになるのです。

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